がん遺伝子検査が収載目前、課題は?

 わが国でのがんゲノム医療の実装に向けて、今年(2018年)4月、がん関連遺伝子パネル検査システムを用いた検査が先進医療として承認された。同検査は、来年度には保険診療として中核拠点病院などで開始される見込みである。保険収載を目前に控え、がんゲノム医療への期待が高まる一方、実施に当たっての問題が次々と明らかになっている。そこで、わが国におけるがんゲノム医療の諸課題を解決し、臨床および社会実装に導くため、日本癌学会(JCA)、日本臨床腫瘍学会(JSMO)、日本がん治療学会(JSCO)の3学会による合同のゲノム医療推進タスクフォースが設置された。第16回日本臨床腫瘍学会(JSMO 2018、7月19日〜21日)では、初の3学会合同のシンポジウムが開催され、慶應義塾大学一般・消化器外科専任講師の林田哲氏がタスクフォースの活動について報告した。