選択のばらつきには意味がある

 右に行くべきか、左に行くべきか。日常生活で選択に悩む局面は少なくない。疾患の治療法を選択するときも同様だ。しかし、希少疾患や未知の疾患では、選択のための情報が不十分なケースもある。京都大学大学院統計遺伝学分野の王娟氏と、同教授の山田亮氏は、集団の中での個人が下す決断における多様性の意義を数理統計学的に検討。その結果、個人が下す決断が、統計学の「お薦め」に従うよりも、まちまちであることの重要性が示されたと、PeerJ2018; 6: e5677)に発表した。さらに、集団が「何か良いこと」に向かって試行錯誤するときに、2つある選択肢の成功率がいずれも高そうな場合には、楽観的な集団の方が全体として成功しやすくなることも明らかにしている。