心不全の新分類から見た診療と予後予測

 従来、心不全(HF)は左室駆出率(LVEF)によって、LVEFが低下したHFrEFとLVEFが保たれたHFpEFに大別されてきた。しかし、LVEFが軽度に低下している症例や以前はLVEFが低下していたが改善した症例など、より細かく、時間軸を考慮した上で分類することで新しい知見が得られるようになり、今年(2018年)刊行された『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』(以下、GL)においても、これらの点が反映された。LVEFの経時的変化から見た心不全診療と予後予測について、現時点での知見を国立循環器病研究センター心不全科部長の泉知里氏が第22回日本心不全学会(10月11~13日)で報告した。