抗菌縫合糸は手術部位感染を低減するか

 手術部位感染(surgical site infection;SSI)は消化器外科手術後に発生する頻度が高い合併症の1つで、入院期間延長や医療コスト増大、患者死亡率上昇と関連する。抗菌剤トリクロサンで被覆した縫合糸(抗菌縫合糸)はSSI低減を目的として創閉鎖に使用されるが、消化器外科手術での有効性については結論が出ていない。自治医科大学さいたま医療センター一般・消化器外科の市田晃佑氏、同科教授の力山敏樹氏らは、抗菌縫合糸を用いた消化器外科手術後のSSI低減効果を検証するための二重盲検ランダム化比較試験(RCT)を実施。その結果を第31回日本外科感染症学会(11月28〜29日)で報告した。