早期の健診がHIV母子感染を防ぐ

 妊婦健診に組み込まれていることから、妊婦のHIVスクリーニング検査率は現在99.9%に達し、感染予防策が施行できたHIV感染妊婦では2000年以降母子感染の発生はない。しかし散発的ではあるもののHIV母子感染の報告は続いており、中には妊娠初期の検査で陰性であった例も認められる。奈良県総合医療センター産婦人科医長の杉浦敦氏は、第32回日本エイズ学会(12月2〜4日)で、厚生労働科学研究「HIV感染妊娠に関する全国疫学調査と診療ガイドラインの策定ならびに診療体制の確立」班の調査結果から、HIV母子感染の現状と対策について報告した。