電気刺激との併用で発話訓練効果が向上か

 ニューロリハビリテーション(神経リハビリテーション)は損傷した神経の機能回復を目的とするもので、高次脳機能障害に対する新しいアプローチとして近年注目されている。こうした潮流の中、国立研究開発法人情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室主任研究員の井原綾氏と川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科教授の種村純氏らは、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation;tDCS)による言語機能の改善を目的とした慢性期失語症に対するニューロリハビリテーションの研究を進めている。井原氏は第42回日本高次脳機能障害学会(2018年12月6〜7日)でtDCSについて概説するとともに、これまでに得られた研究成果の一端を紹介した。