経口インスリンの実現に確かな一歩

 糖尿病患者に世界で初めてインスリン注射が施行されたのは、1922年のこと。以来、長く患者の"悲願"であった「経口インスリン」実現の突破口となる可能性を秘めたデリバリーシステムが登場した。米・Massachusetts Institute of Technology(MIT)などの共同研究グループは、インスリンをはじめとする生体高分子の経口投与を可能にする経口カプセル"self-orienting millimeter-scale applicator(SOMA)"を開発(写真)。ラット、ブタを用いた実証実験に成功したことを、Science2019; 363: 571)に発表した。今後、インスリンだけでなく、投与法が注射や点滴に限られている幅広い医薬品への応用を視野に、研究を進める考えだ。

22937_cap_pho1.png

(Felice Frankel氏/ MIT提供)