nab-PTX+RAMは進行胃がんで有用?

 パクリタキセル(PTX)は難水溶性の薬剤であるため、溶媒としてポリオキシエチレンヒマシ油とエタノールを用いる必要がある。そのため、アルコール不耐性例には使用できず、溶媒に対する過敏症の懸念からステロイド薬や抗ヒスタミン薬の前投薬が必須となる。nab-PTXはヒト血清アルブミンにPTXを結合させてナノ粒子化した薬剤であり、溶媒を用いていないため前投薬が不要で安全性に優れ、投与時間も短縮している。大阪府立病院機構大阪国際がんセンター消化器外科診療主任の新野直樹氏は、第91回日本胃癌学会(2月27日~3月1日)において、切除不能または再発胃がんに対するnab-PTX+ラムシルマブ(RAM)療法の検討結果を報告。アルコール不耐性および耐性のいずれにおいても安全性と有効性はPTX+RAM療法と同等で、腹膜転移例ではnab-PTX+RAM療法が有用である可能性があることを明らかにした。