寄生虫ダイエット、効果の謎が解けた!

 ヒトの腸管に寄生虫を寄生させることで体重増加を抑制する減量法は世界各地で行われており、ソプラノ歌手の故マリア・カラスはサナダムシを利用し1年間で約50kgの減量に成功したといわれる。肥満は美容的な問題に加え、さまざまな疾患の発症リスクを高めることから、新たな肥満治療の開発は喫緊の課題である。群馬大学大学院生体防御学分野の下川周子氏と国立感染症研究所寄生動物部部長の久枝一氏らの共同研究グループは、これまで不明であった寄生虫による体重減少のメカニズムを初めて科学的に解明し、Infect Immun (2019年4月8日オンライン版)に報告した。