がん患者が治療法を選択する時代へ

 放射線照射技術の進歩により、多くのがん種に対して、放射線治療は手術と同等の有効性を示すようになった。しかし、いまだ日本では「がん治療=手術」という既成概念が根強い。東京大学病院放射線治療部門部門長/准教授の中川恵一氏らが実施した調査では、がん種を問わず約9割の患者が、医師の勧めに応じ手術を受けていたという。同氏は、9月25日に東京都で開かれた日本放射線腫瘍学会プレスカンファレンスで「主治医は治療方針を決定する際に、手術を含むさまざまな治療選択肢を適切に患者に提示すべき」と訴えた。