人工股関節全置換術のメリットは限定的

 高齢の大腿骨頸部骨折患者に対し、人工股関節全置換術(THA)と人工骨頭置換術(HA)のどちらを実施すべきかについては一致した見解が得られていない。こうした中、カナダ・McMaster UniversityのMohit Bhandari氏らは転位型大腿骨頸部骨折患者約1,500例を対象に、THAとHAの有効性および安全性を比較検討する国際ランダム化比較試験(RCT)HEALTHを実施。その結果、術後2年時の関節機能などはTHA群の方がわずかに優れていたものの、重篤な有害事象の発生率が高かったと米国整形外科外傷学会(OTA 2019、9月25~28日、デンバー)で発表、詳細はN Engl J Med2019年9月26日オンライン版)に同時掲載された。