小児がんの治療集約化に課題

 国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは10月18日付で、0~14歳の小児がん患者と15~39歳の思春期・若年成人(AYA)世代のがん患者に関する全国規模の集計報告書を公表した。その中で、小児がんの治療が治療実績の少ない施設で行われている実態が明らかになった。小児がんは脳腫瘍や神経芽腫、軟部腫瘍など希少がんが多く、診療の集約化が必要との指摘がある。両センターの主催により、同月16日に国立がん研究センターで開かれた記者発表会で報告した国立成育医療研究センター・小児がんセンター長の松本公一氏は「例えば脳腫瘍の診療は緊急を要するケースが多く、治療が極めて難しい。集学的な治療が必要で、診断から治療まで一貫した治療体制で受けることが重要」と述べた。