腸内細菌で抗PD-1抗体の効果が増強

 腸内細菌叢はヒトの免疫系や生理機能に強い影響を与えることが知られている。多様性の喪失、すなわち「dysbiosis」はがんを含むさまざまな疾患に関与するとされる一方、一部の菌種が免疫細胞に影響を及ぼすことが報告されている。第78回日本癌学会(9月26日〜28日)で慶應義塾大学微生物学・免疫学教室講師の田之上大氏は、感染防御や抗腫瘍免疫応答において重要な役割を担うインターフェロン(IFN)-γ産生()CD8陽性()T細胞を誘導する11菌株を単離し、皮下腫瘍モデルマウスに投与した実験結果を発表。この11菌株の投与が抗PD-1抗体の抗腫瘍効果を増強することを報告した。