視神経脊髄炎にリツキシマブが有効

 視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系が脱髄することによって視力障害や感覚異常、運動麻痺などの症状が生じ、寛解と再発を繰り返す難病である。多発性硬化症(MS)の一種と考えられていたが、治療に対する反応は両者で異なり、患者から特異的な抗体〔抗アクアポリン(AQP)-4抗体〕が発見されたことで現在は別の疾患として区分されている。国内ではNMOを適応とする治療薬はまだないが、リツキシマブの効果を検討する治験RIN-1(Rituximab in NMO) が行われ、適応申請に向けた準備が進んでいる。治験に携わった国立病院機構宇多野病院臨床研究部免疫研究室長の田原将行氏は、第31回日本神経免疫学会(9月26~27日)でNMOに対するリツキシマブ治療の可能性について展望した。