これだけは知っておきたい心不全の身体所見

 わが国の心不全患者数は急激に増加しており、2030年には130万人を超すと推計されている。この増加の勢いは「心不全パンデミック」ともいわれ、臨床で心不全に遭遇する頻度も高くなるとみられる。日本循環器学会/日本心不全学会が作成した『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』の中で示されている心不全の診断アルゴリズムでは、症状、既往・患者背景の次に身体所見の診察が位置付けられており、基本的な手技だが確実に身に付けておきたい。第67回日本心臓病学会(9月13~15日)で近森病院(高知市)循環器内科部長の中岡洋子氏が講演した「心不全の身体所見」の内容を紹介する。