新型コロナ、水際対策から感染蔓延期へ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、指定感染症認定、中国湖北省武漢市からの邦人移送、施設およびクルーズ船における経過観察措置などの水際対策により、日本国内の感染者数の急激な増加に一定の抑制効果を示してきた。しかし2月15日以降、日本各地で感染経路が特定できない感染事例が報告されている。さらに2月20日時点で死亡例が3例報告され、高齢者・基礎疾患のある患者における重症例が報告されつつある。こうした状況を受け、日本感染症学会と日本環境感染学会は、感染対策のフェーズを水際対策期から感染蔓延期へ移行させていく必要があるとし、2月21日付で一般市民と医療従事者を対象とする『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ー水際対策から感染蔓延期に向けてー』を公表した。地域や施設ごとの状況に応じ、感染蔓延期における対策への移行を促すとともに、PCR検査は入院が必要な肺炎例でウイルス性肺炎を疑う場合に絞って実施するよう提言している。