日本の子宮頸がんは今世紀中に排除可能か?

 子宮頸がんにはヒトパピローマウイルス(HPV)感染がほぼ100%関与する。HPVの一過性感染から持続感染による前がん病変形成を経て、子宮頸がんへと進展する過程も判明しており、各段階での予防法も確立されている。一次予防としてはHPVワクチン接種、二次予防としては子宮頸がん検診受診があり、両者を合わせて行うことで子宮頸がんリスクは軽減できる。世界では今世紀(21世紀)中に子宮頸がんが「排除可能」との推計も報告されている。HVPワクチンの有効性と今後の子宮頸がん発症の動向について、第72回日本産科婦人科学会(4月23日~5月11日、ウェブ開催)で新潟大学産科婦人科学教室の工藤梨沙氏が解説した。