オラネキシジン消毒薬で術後感染が半減

 最も一般的な術後合併症である手術部位感染(SSI)。患者の生命予後を大きく左右するため、最重要課題の1つといえる。SSI予防策としての外皮消毒において、日本では主にヨウ素系消毒薬が使われてきたが、近年はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの耐性菌によるSSI発生リスクが指摘されている。こうした中、耐性菌への有効性が期待されるビグアナイド系消毒薬オラネキシジンが登場したが、耐性菌への有効性をヨウ素系消毒薬と比較した報告はなかった。そこで慶應義塾大学外科学(一般・消化器)教室教授の北川雄光氏らの研究グループは、ヨウ素系消毒薬とオラネキシジンのSSI発生予防効果を比較検討する医師主導型ランダム化比較試験(RCT)を実施。オラネキシジン投与群でSSI発生が半減したと、Lancet Infect Dis2020年6月15日オンライン版)に発表した。