新規HER2阻害薬が乳がん脳転移にも有効

 HER2陽性進行乳がんでは脳転移を来す患者が多く、効果的かつ忍容性の高い治療選択肢が求められている。3種類のHER2標的薬既治療のHER2陽性進行乳がん患者(脳転移例を含む)を対象に、抗HER2抗体トラスツズマブ+カペシタビンへの新規HER2阻害薬tucatinib上乗せの効果を検証した国際二重盲検プラセボ対照第Ⅱ相ランダム化比較試験HER2CLIMBでは、主解析結果から、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の有意な延長が報告されている(関連記事「新規HER2阻害薬tucatinibで難治性乳がんの予後改善【SABCS 2019】」)。米・Dana-Farber Cancer InstituteのNancy U. Lin氏は、同試験の脳転移患者における追加解析結果を第56回米国臨床腫瘍学会(ASCO20 Virtual Scientific Program、5月29~31日、ウェブ開催)で発表。脳転移患者でも有望な成績が示されたと報告した。詳細はJ Clin Oncol2020年5月29日オンライン版)に同時掲載された。