「エキセントリック運動」は心リハに有用

 椅子から立ち上がる、ダンベルを持ち上げるといった力を発揮している筋肉が短くなっていく運動を「コンセントリック運動(Concentric Exercise)」という。一方、椅子にゆっくり座ったり、ダンベルをゆっくり下ろすときのように、力を発揮している筋肉が伸ばされていく運動は「エキセントリック運動(Eccentric Exercise)」と呼ばれる。坂道や階段を下りるなどの日常的な動作も後者に含まれる。エキセントリック運動はコンセントリック運動に比べて呼吸循環系にかかる負荷が少なく、効率的に骨格筋に作用して筋力や筋肉量を増やせるとして、心臓リハビリテーション(以下、心リハ)分野でも効果が期待できるという。オーストラリア・Edith Cowan University, School of Medical and Health Sciences, Exercise and Sports Science の教授である野坂和則氏が、第26回日本心臓リハビリテーション学会(7月18~19日、ウェブ開催)でエキセントリック運動について解説した。