急性腎障害への緊急透析で転帰改善せず

 急性腎障害(AKI)は集中治療室入院患者によく見られる合併症であり、致死的な変化が見られる場合、緊急の透析導入をはじめとした腎代替療法を要する。しかし、その至適開始時期について一定の見解が得られていない。STARRT-AKI(Standard versus accelerated initiation of renal replacement therapy in acute kidney injury)試験では、15カ国168施設の重症AKI患者を対象として、腎代替療法を早期に開始する群と標準的な時期に開始する群で転帰を比較検討した。その結果、腎代替療法を早期に開始しても転帰は改善しないことが認められたと、同研究のプログラムディレクターでオーストラリア・George Institute for Global HealthのMartin P. Gallagher氏らがN Engl J Med2020; 383: 240-251)に発表した。