出血を伴わない血友病性関節症の特徴

 血液凝固因子が欠乏する血友病の主な治療目標として挙げられるのが、血友病性関節症の抑制である。血友病性関節症の関節機能障害は関節内出血に起因するとされ、年間の関節内出血頻度が重要な治療評価指数に用いられる。しかし、臨床的に明確な関節内出血がなくても、血友病性関節症を発症する場合があることが明らかにされつつある(N Engl J Med 2007; 357: 535-544)。名古屋大学病院輸血部の鈴木伸明氏は、第42回日本血栓止血学会(7月1日~31日、ウェブ開催)で関節内出血を伴わずに血友病性関節症を発症した症例を報告した。