ウェルナー症候群の難治性皮膚潰瘍に迫る

 ウェルナー症候群(WS)は常染色体劣性遺伝を呈する単一遺伝子による早老症で、わが国に2,000例存在すると推定されている。千葉大学大学院内分泌代謝・血液・老年内科学講師の前澤善朗氏は、第62回日本老年医学会(8月4~6日、ウェブ開催)でWSの臨床症候と細胞老化について講演。「WS患者由来の線維芽細胞とマクロファージは一般老化と共通する病態を有する一方、WS特異的なメカニズムとして足部に分化能異常が認められることが、WSで四肢の軟部組織に石灰化や難治性皮膚潰瘍が生じる原因と考えられる」と述べた。(関連記事「日本人に多い早老症、予後改善も早期診断が課題」)