IBDがんにリキッドバイオプシーは有用か

 炎症性腸疾患(IBD)患者では下部消化管がんのリスクが上昇するが、がん発症部位周辺の粘膜に炎症性変化が生じるため、内視鏡サーベイランスでのがん検出は困難な場合が多い。そこで、IBD関連がんの低侵襲性マーカーとして注目されるのが、リキッドバイオプシーによって得られた血中循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA;ctDNA)だ。岡山大学病院消化器内科の衣笠秀明氏は、第106回日本消化器病学会(8月11日〜31日、ウェブ開催)で自施設における検討結果を紹介し、IBD関連がんに対するリキッドバイオプシーの臨床的意義について説明した。