予後を尋ねるがん患者に明確に伝えるべきか

 わが国のがん医療において、医師からのがん告知は一般的になってきたものの、予後については今なお伝えないことが多いという。聖隷三方原病院(静岡県)緩和支持治療科の森雅紀氏は、予後を尋ねる患者にはっきり予後を伝えることの是非を検証したクロスオーバー実験心理学的研究J-SUPPORT1601の結果から、望む患者に対して予後告知が適切と考えられるのであれば伝えてもよいとする結果を、緩和・支持・心のケア合同学術大会2020(8月9~10日、ウェブ開催)で発表した。なお同研究成果は、昨年(2019年)Cancer2019; 125: 3320-3329)に掲載され、今大会では「理事長推薦論文」の1つに選出された。