コロナ重症化に血栓を促進する蛋白質が関与

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化に関わる免疫が暴走する現象「サイトカインストーム」の引き金となる蛋白質「PAI-1」を発見した、と大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫機能制御学特任教授の岸本忠三氏、妾秀辰氏の研究グループが発表した。重症のCOVID-19患者の血液中で増加する蛋白質インターロイキン(IL)-6が放出する物質で、血液凝固を促進する働きがある。この物質が血液中で増えて、肺など多くの臓器で血栓が形成され、血管から液性成分を漏出して肺炎を重症化させるとしている。研究結果は米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。