アテゾリズマブが乳がん術前療法で奏効

 昨年(2019年)9月に乳がんに対する初の免疫チェックポイント阻害薬として、抗PD-L1抗体アテゾリズマブがPD-L1陽性の手術不能・再発トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を適応として国内承認された(関連記事「乳がんの第Ⅲ相試験で初! 免疫治療が奏効」)。今後、より早期の乳がん治療において免疫療法がどのように導入されるかが注目されている。ドイツ・LMU University hospitalのNadia Harbeck氏は、早期(Ⅰ~Ⅲ期)TNBCにおける術前療法として、化学療法に対するアテゾリズマブの上乗せ効果を検証した二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相ランダム化比較試験IMpassion031の中間解析の結果から、病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善したことを欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020、9月16~21日、ウェブ開催)で報告した。同試験の詳細はLancet2020年9月18日付オンライン版)に同時掲載された。