アラガンクライシスから1年以上...現状は?

 昨年(2019年)、乳房再建術関係者に激震が走った「アラガンクライシス」。わが国で唯一保険適用されていた乳房再建用インプラント(以下、乳房インプラント)および乳房再建用エキスパンダー(皮膚拡張器)のアラガン社製品が、乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(Breast Implant Associated-Anaplastic Large Cell Lymphoma;BIA-ALCL)の発症リスクがあるとの米食品医薬局(FDA)の情報により、日本を含む各国で自主回収、販売停止の措置が取られた。その後1年以上が経過した今月(2020年10月)1日、国内ではアラガン社以外の製品としては初となるシエントラ社のインプラントが保険適用された。日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会前理事長で獨協医科大学形成外科教授の朝戸裕貴氏が、これまでの経緯について第8回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会(10月2~3日、ウェブ開催)で報告した。