透析中の血管狭窄音を音響分析で判別

 血液透析治療では十分な脱血流量を確保するため、上腕の静脈と動脈2つの血管を吻合してつくる自己血管内シャントや、人工血管内シャントが使われる。シャントは透析を続ける上で必要だが、経時的に血管が狭窄する問題がある。そのため、透析専門スタッフが透析治療中にシャント音を聴診し、狭窄をスクリーニングする官能検査が行われている。しかし、官能検査で狭窄を判定するためには熟練が必要で、スタッフによって判定が異なるケースも多い。また、官能検査は主観的に行われるため、定量的な評価が難しいという課題がある。脳神経センター大田記念病院(広島県)の田頭瑞萌氏、徳島文理大学保健福祉学部臨床工学科教授の中川隆文氏らは、透析時の血流雑音を音響分析し、狭窄を早期に検出する方法を検討、実験データを基にその有効性を評価した結果を第95回日本医療機器学会(9月20日〜10月19日、ウェブ開催)で報告した。