夜間の航空機騒音が心血管死を惹起

 交通騒音への長期的な曝露は心血管疾患(CVD)による死亡のリスクを高めることが報告されているが、交通騒音による急性的な影響について検討した研究は少なかった。こうした中、スイス・Swiss Tropical and Public Health InstituteのApolline Saucy氏らは、夜間の航空機騒音への曝露がCVD死の引き金になる可能性を示した研究結果をEur Heart J2020年11月27日オンライン版)に発表した。夜間にCVDが原因で死亡した患者のデータを解析したところ、死亡の2時間以内に高レベルの航空機騒音に曝露した患者では低レベル曝露の患者と比べてCVD死のリスクが44%高まることが示された。