孤独は認知症リスクを5倍高める

 超高齢社会を迎え、認知症患者の増加が社会問題となっている。認知症の成因はいまだ十分には解明されておらず、根本的な治療法も確立されていない。福岡県久山町では、日本有数の認知症の前向きコホート研究(久山町研究)が継続中であり、その発症に関連する危険因子・防御因子が探索されている。第39回日本認知症学会(11月26〜28日、ウェブ併催)において、九州大学大学院精神病態医学分野講師の小原知之氏は、これまでに得られた知見を幾つか紹介するとともに、新たに孤独感が認知症の発症リスクを5倍以上高めることが明らかになったと報告した。