血液で捉えるAβ蓄積、リスク予測も視野に

 脳内におけるアミロイドβ(Aβ)の蓄積はアルツハイマー型認知症(AD)に伴う変化の最上流に位置し、認知症の症状が現れる20〜30年前から生じる。Aβ蓄積を正確に捉えることがADの早期診断、根治療法や予防法を開発する上で重要である。現状、Aβの蓄積を捉える検査法として脳脊髄液検査やPET検査があるが、侵襲性が高いことや高コストであることから大規模検査に向かないのが欠点だ。そこで、Aβ蓄積を早期に捉える血液バイオマーカーが求められる。第39回日本認知症学会(11月26〜28日、ウェブ併催)において、血液Aβ測定法を世界に先駆けて開発、トップレベルの精度を誇る血液Aβバイオマーカーを生み出した研究グループの一員で国立長寿医療研究センターバイオマーカー開発研究部の中村昭範氏がその実用化に向けた動きについて解説した。