80歳超の高齢膵がんでも手術で予後改善

 戦後のベビーブーム期に出生した世代が80歳代を迎える2030年には、80歳以上の高齢者が人口に占める割合が高くなることが予想されている。膵切除をした80歳以上の膵がん患者は、80歳未満の患者に比べて予後が不良とされる中、関西医科大学外科学講座診療教授の里井壯平氏は第51回日本膵臓学会(1月8~9日、ウェブ併催)で、同学会膵疾患臨床研究推進委員会(山上裕機委員長)が行った80歳以上の高齢膵がん患者に対する治療法についての調査結果を報告。80歳以上の切除可能膵がんでは、耐術性に問題がなければ膵切除により生存期間が延長し、集学的治療の導入によりさらなる予後改善が期待できることを明らかにした(Pancreas 2020; 49: 837-844)。