息切れは加齢や体力不足?CTEPHの鑑別を

 日本における慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者数は100万人当たり25.2人、年次増加数は100万人当たり2.9人と推定されており、臨床上の遭遇頻度は高いとは言い難く、一般の認知度も低い疾患だ。労作性の息切れが主訴となるが特徴的な症状や身体的所見に乏しいため、早期診断が困難であることが知られている。信州大学、京都大学、バイエル薬品らの研究グループは、CTEPH患者の発症から診断、治療までのプロセスと疾患が及ぼす負担に関する研究を実施。患者自身による初期症状の加齢や体力不足との誤認と、医師が鑑別疾患としてCTEPHを想起しにくい点が、早期の確定診断を妨げる障壁であることを明らかにした。詳細はValue Health Reg Issues (2021; 24: 17-23)に掲載された。