対策型肺がん検診、対象年齢引き上げが必要か

 わが国で対策型肺がん検診が開始されて30年以上になる。喫煙は肺がんにおける最大の予防可能な危険因子と考えられており、この30年間で喫煙率は継続して低下(特に男性)しつつある。第31回日本疫学会(1月27〜29日、ウェブ開催)において、国立がん研究センターの逸見治氏らは、1991年以降の対策型肺がん検診のデータから求めた肺がん発見率や喫煙率などとの関連について報告。男女ともに若年群では検診受診者数が著しく少ないこと、若年群の肺がん発見率は著しく低いこと、この25年間で受診者全体と肺がん発見時の年齢が高齢化傾向にあることなどを示した。喫煙率は継続して低下していることもあり、今後、より効率的に対策型肺がん検診を実施するためには、検診対象年齢の引き上げなどが必要ではないかと考察している。詳細は、Jpn J ClinOncol 2020; 50:1126-1132に掲載されている。