致命率低下の急性膵炎に残された課題とは?

 急性膵炎は、近年重症例の致命率は低下傾向にあるものの、さらなる予後改善を図る上で取り組むべき課題が浮上している。東北大学消化器内科教授の正宗淳氏は第51回日本膵臓学会(1月8~9日、ウェブ併催)の「急性膵炎ガイドライン2020公聴会」において、急性膵炎全国疫学調査2016の結果を報告。2011年の前回調査と比べ重症例の致命率が10.1%から6.1%に改善されたことを示した上で、同氏は残された課題を指摘。発症早期では、特に死亡リスクが高い症例を拾い上げるための造影CT施行が、発症後期では膵局所合併症の治療が、致命率改善のポイントとなることを示した。