電カル情報×AIで腎症進展例を予測

 がんゲノム解析や画像診断の領域での人工知能(Artificial Intelligence;AI)の応用は目覚ましい。これに対して生活習慣病などはあまりに多くの因子が関与するため、AIによる分析は難しかった。藤田医科大学内分泌・代謝内科学教授の鈴木敦詞氏らは、「電子カルテデータをAIに読み込ませることで、腎症進展リスクの高い人を拾い出せないか」という仮説を立て、世界で初めて機械学習を用いた糖尿病性腎臓病の悪化予測モデルを作成。半年後の微量アルブミン尿出現を高い精度で予測した。このAI予測による「悪化」群では、10年間の透析導入リスク、心血管イベント発症リスクが高い点も明らかにした。第26回日本糖尿病眼学会(2020年12月7〜21日、ウェブ開催)での講演を紹介する。