小児がん制吐療法で完全抑制率58.6%

 化学療法誘発性の悪心および嘔吐(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting;CINV)は化学療法に関連する最も苦痛な有害事象の1つで、小児悪性腫瘍患者のおよそ7割に発生するとの報告もある。制吐薬の1つである5-HT3受容体拮抗薬には小児に適応を有するものもあるが、低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性が確立しているものはない。第18回日本臨床腫瘍学会(2月18〜21日、ウェブ開催)で九州大学大学院周産期・小児医療学講座准教授の古賀友紀氏は、乳児を含む小児悪性腫瘍患者を対象に第二世代5-HT3受容体拮抗薬パロノセトロンの有効性および安全性を検討した単群第Ⅲ相試験の結果を報告。有望な成績が得られ、小児悪性腫瘍患者におけるQOL向上への寄与が期待されると展望した。