被災者において乳製品摂取と高血圧に負の相関

 東日本大震災による浸水被害の大きかった地域では、震災直後だけでなく4年後の循環器疾患のリスクも高く(Am J Cardiol 2016; 118: 1374-1379Am J Cardiol 2017; 120: 352-358)、また、東日本大震災の被災者では循環器疾患の主要なリスク要因である高血圧の有病者が多い(Hypertension 2016; 68: 558-564BMJ Open 2016; 6: e011291)ことが報告されている。自然災害後の循環器疾患を防ぐためには、修正可能な危険因子の特定が重要となる。医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所国際栄養情報センターの宮川尚子氏は、東日本大震災被災者において乳製品の摂取頻度が高いほど高血圧の有病率が低く、特に仮設住宅居住者でこの関連が強く認められたことを、第31回日本疫学会(1月27〜29日、ウェブ開催)で報告した。自然災害被災者における乳製品摂取と高血圧有病率との関連を示した初の研究結果で、詳細はJ Hum Hypertens(2021年3月2日オンライン版)に掲載された。