潰瘍性大腸炎の"新たな自己抗体"を発見

 炎症性腸疾患(IBD)の1つである潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍を生じ、粘血便、下痢、腹痛といった症状を呈する慢性の自己免疫疾患である。腫瘍壊死因子(TNF)α阻害薬やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などの登場で薬物療法に進展が見られているが、その病態にはいまだ不明点が多く、根治療法も存在していない。そのような中、京都大学消化器内科学の桒田威氏らが、UCに特異的な新規抗体を発見したと発表。UC患者の90%超でインテグリンαVβ6に対する自己抗体が認められたと、Gastroenterology2021年2月12日オンライン版)に報告した(関連記事:「潰瘍性大腸炎に新薬が相次ぎ登場 」「潰瘍性大腸炎の病態メカニズムに『新説』」)。