成人先天性心疾患の実態を調査

 100人に1人の割合で発見される先天性心疾患(CHD)には、心房中隔欠損、心室中隔欠損、ファロー四徴症、完全大血管転位症、房室中隔欠損症、修正大血管転位症、アイゼンメンジャー症候群などがある。筑波大学循環器内科准教授の石津智子氏は、循環器疾患診療実態調査(JROAD)-診断群分類包括評価(DPC)データベースを用いて成人CHD患者の入院の実態について解析。その結果を第85回日本循環器学会(3月26~28日、ウェブ併催)で発表し、「成人CHD入院患者では緊急入院が全体の4分の1超を占め、6年間で2.6倍超に急増している。緊急入院の原因となった疾患は心不全、不整脈、脳血管障害、出血、肺高血圧、肝・腎不全で、そのうち出血および肝・腎不全例は入院中の死亡率が高いことが分かった」と報告した。