心不全患者の全人的苦痛を評価すると?

 心不全は進行性で予後不良の疾患であり、呼吸困難や倦怠感などの身体症状および抑うつ、不安などの精神症状を呈し、QOLが著しく低下することが指摘されている。心不全の管理を行うに当たっては、身体症状や精神心理的苦痛といった全人的苦痛のスクリーニングが重要となるが、これまで心不全患者の心身を含めた状態を総合的に評価するケースは少なかった(Circ J 2020; 84: 584-591)。そこで国立病院機構京都医療センター循環器内科の濱谷康弘氏は、患者の状態を包括的に評価する尺度である、Integrated Palliative care Outcome Scale(IPOS)を用いて心不全入院患者を評価。第85回日本循環器学会(3月26~28日、ウェブ併催)で結果を報告した。