コロナ嗅覚・味覚障害がウイルス負荷に関連

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査で感染の有無を判定する際の指標となるCt値をめぐっては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断時のウイルス量や重症度との間に負の相関が認められたといった報告はあるものの、症状や遷延期間との関連について報告は少ない。慶應義塾大学呼吸器内科の中川原賢亮氏は、第61回日本呼吸器学会(4月23~25日、ウェブ開催)で、同院に入院した無症状・軽症のSARS-CoV-2陽性者の症状とCt値との関連を検討した結果、診断時の低Ct値は嗅覚・味覚障害の出現や高ウイルス負荷、PCR検査の陰性化期間遷延に関連していたと報告した。その上で、「嗅覚・味覚障害は高ウイルス負荷の患者の推定になりうる可能性があり、COVID-19の感染制御においてもその評価が重要になる」との考えを示した。