ワクチン接種者の抗体量は感染者の60倍

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者とSARS-CoV-2ワクチン接種者で、獲得する抗体の質や量に違いはあるのか。富山大学微生物学講座教授の森永芳智氏は両者で獲得した抗体について、同大学が確立した中和抗体評価(CRNT)法で定性評価を、市販の抗体検査で定量評価を実施。その結果、SARS-CoV-2ワクチン接種者の抗体量は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)回復期患者の約60倍であることが明らかとなった。また、ワクチン接種後に獲得する抗体は変異株への中和能が従来株に比べ低い傾向が見られたものの、抗体量が多いことで、変異株に対する中和能が補完されている可能性があるという。なお、結果の詳細はmedRxiv(2021年5月27日オンライン版2021年5月30日オンライン版)に掲載された。