超低リスク乳がん、術後療法無しでも予後良好

 多遺伝子アッセイ(多重遺伝子診断)の1つである70遺伝子シグネチャー解析(MammaPrint)は、早期乳がん患者の予後予測に有用であることが期待されている。オランダ・Netherlands Cancer InstituteのJosephine Lopes Cardozo氏らは、早期乳がん患者を対象にMammaPrintの有用性を検証した国際第Ⅲ相ランダム化比較試験MINDACTの追加解析の結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021、6月4~8日、ウェブ開催)で発表。MammaPrintでゲノムリスクが超低リスクと判定された集団では、術後療法の有無にかかわらず8年時の無遠隔転移生存率(DMFI)および乳がん特異的生存率(BCSS)が良好であり、過剰な術後療法を減らし、副作用のリスクを軽減できる可能性があることを報告した(関連記事「【解説】乳がん予後予測はどこまで可能か」)。