結核×コロナ仮説の疑問に著者が回答

 既報の通り(関連記事「結核感染がコロナ蔓延の盾に」)、世界各国における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染被害の差は、過去の結核蔓延状況の程度に起因しうることを、帝京大学地域医療学教授の井上和男氏らが報告した(PLoS One 2021; 16: e025316)。同研究では、インドは1990年の結核発症率が高く、2020年4月5日時点の累積新型コロナウイルス感染症(COVID-19)死亡率が低い国とされていた。そのため複数の医師から「COVID-19が蔓延するインドの現況を反映していないのではないか」とのコメントが編集部に寄せられた。そこで、同氏に質問をぶつけたところ、「インドの蔓延状況は、われわれの提唱する結核 vs. COVID-19仮説の反証にはならない」との回答を得た。