がん治療用ウイルスがスキルス胃がんに奏効

 新たながん治療薬として、自然発生または遺伝子改変ウイルスを用いて作製し、がん細胞のみに感染し複製・増殖を繰り返すことでがん細胞を選択的に破壊するがん治療用ウイルスが注目されている。今年(2021年)6月11日には、がん治療用ウイルスG47Δを製剤化したテセルパツレブが悪性神経膠腫に対し世界で初めて承認された(条件および期限付承認)。東京大学病院胃・食道外科の菅原弘太郎氏らは、複数のがん種に対する臨床試験が進行中であるテセルパツレブについて、スキルス胃がんに対する有効性をin vitroおよびマウスモデルで検討。スキルス胃がんに対する新たな治療戦略となる可能性が認められたことを第76回日本消化器外科学会(7月7~9日、ウェブ併催)で発表した。なお、詳細はMol Ther Oncolytics2020; 17: 205-215)に発表された(関連記事「国産のがん治療用ウイルス、開発進む」「世界初のがん治療用ウイルスが条件・期限付きで国内承認)。