難聴は認知症リスクにも、耳の抗加齢

 日本では高齢化を背景に難聴者が年々増加している。一方、世界的には医療の介入が必要な難聴者は約5億人を数えるといわれている。特に近年は、イヤホンで大音量の音楽を聴き続けるといった若者が増えたことから、10億人以上が将来の難聴リスクを抱えると世界保健機関(WHO)は報告している(WHO. "1.1billion people at risk of hearing loss 2015.")。このように難聴対策は、世界の保健行政の喫緊の課題なのである。慶應義塾大学耳鼻咽喉科名誉教授の小川郁氏は、高齢者と若者の難聴リスクの深刻な現状、予防法について第21回日本抗加齢医学会(6月25~ 27日、ウェブ併催)で解説した。