75歳以上の食道がんに術前化学療法は有害

『食道癌診療ガイドライン2017年版』では、手術を希望する75歳以下のⅡ/Ⅲ期食道がん患者に対する標準治療として術前化学療法施行を推奨している。一方、76歳以上の高齢者(特に全身状態不良例)に対する標準治療は確立されていない。浜松医科大学外科学第二講座の坊岡英祐氏らは、75歳以上のⅡ/Ⅲ期食道がん患者を対象に手術先行群と術前化学療法群で有効性を検討。多変量解析の結果、術前化学療法施行のみが予後不良因子として同定され、術前化学療法未施行に対する全生存(OS)のハザード比(HR)は5.025(95%CI 1.136~22.222、P=0.033)にも上ったと、第76回日本消化器外科学会(7月7~9日、ウェブ併催)で発表した。