乳がん免疫療法を最新知見から展望

 免疫療法の開発は乳がん領域でも進展している。PD-L1陽性の転移性/再発トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して抗PD-L1抗体アテゾリズマブとnab-パクリタキセル(nab-PTX)併用療法が承認された一方で、抗PD-1抗体ペムブロリズマブと化学療法の併用の臨床試験成績も報告された。ホルモン受容体(HR)陽性またはHER2陽性乳がんに対する開発も進んでおり、治療選択肢は広がりつつある。がん研究会有明病院(東京都)乳腺センター乳腺内科副医長の尾崎由記範氏は、乳がん治療における抗PD-1/L1療法の最新状況と今後の課題について、第29回日本乳癌学会(7月1〜3日、ウェブ併催)で解説した。